この恋、きみ色に染めたなら








先輩はずるい。




なんでそう思うのかは分からない、けど。





でもすっごく面倒くさそうに接してくるし、言い方もそう言う時ある。


なんで面倒くさいと言われるのよ、と、思うよ、でも不思議ー…




先輩が微笑むと、私はドキドキしてしまうー…




先輩はずるい。







それでも私は、私の目は、目の前の先輩を見つめる。









『行くの、行かないの、どっち』






先輩は私の問いかけにはきちんと答えてくれない、でも自分の問いかけには即答を求めるー…






比呂、みたいー…


即決・即答を求めるところとか。







だから、私の脳内がサイレンを鳴らすー…





先輩の笑みにドキドキしてはいけない、と。



先輩をモデルと描く人、それ以上の想いで関わってはいけない、と。








『で、どっち?』





『……行きます!』






私は既に美術室から廊下に出ている先輩の後を追うように美術室を出た。





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