この恋、きみ色に染めたなら
『……先輩は……先輩です。
強引で自分勝手で意地悪な…そんな先輩です…』
強引で、
自分勝手で、
意地悪…
そんな人、そんな人なんだ。
だから、恋、なんて…
『なんだか愛しさを感じるね、あなたの言い方』
店主の言葉に私は思わず顔を上げる。
視界に入った、店主の優しそうな顔。
『……愛しさ?』
私の言葉のどこに感じたんだろう…。
強引、自分勝手、意地悪、そのフレーズはどれも否定的な言葉にしか思えない。
なのに、なんで?
『好きの反対って、なんだと思う?』
いきなりの店主からの問いかけ。
好き、の反対は…
『……嫌い、ですか?』
『好きの反対は無関心、よ?』