この恋、きみ色に染めたなら






モデルをやめるー…




それはつまり先輩との接点がなくなる、そういうこと。




先輩との接点がなくなる、それはつまり…









『…さとさん、古里さん?』




先輩とのことを考え過ぎてしまっていたのか、柳先生に何度か呼ばれたところで気付く。








『…あ、ごめんなさい…あの、先生、何か?』



『何度か呼んでたんだけど…そんなに成田君のことを考えていたのかしら』





柳先生の“成田君のことを考えていた”の言葉に思わずドキッとする。




バレバレ…




私、そんなに分かりやすい顔をしてたかな…











『……あ…いえ、先輩とはただのモデルと絵を描く人、っていうだけの関係ですから…』





自分の言葉なのに。


自分で言っていて虚しくなるのは、

自分で言っていて悲しくなるのは、

なんで…?






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