この恋、きみ色に染めたなら

*特別な人の席






先輩の思い出の人の席……?




柳先生の言葉に、私の思考回路が一時停止する。







『……先輩の思い出の人…って………どういうことですか……?』





自分で言葉を発しながら、その声が震えていることに気付く。



でも、それでも聞いてしまうー…



先輩のことだから。









『成田君から聞いてない?』




柳先生の言葉に、私は首を横に振って聞かされていないことを示す。









『そっか…。
 私が話してもいいのか…悩むところだけど。

 この席に座って、いつも成田君が絵を描いていた人。
 
 そして、まだ成田君が忘れられてない人かも…』







先輩が絵を描いていた人……



先輩が忘れられていない人………















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