この恋、きみ色に染めたなら
先輩の嘘が
悲しかったのか
寂しかったのか
イラついたのか
…どの感情が私をそうさせたのかは分からない。
でも、気がつけば私は椅子に置かれていたクッションを一枚のキャンバスに投げていた。
キャンバスに当たったクッションはボフッという音をたてたかと思えば、そのまま床に落下していく。
クッションが当たった衝撃から、キャンバスに被せられていた布が床に落ちていく。
そして、姿を現す、先輩の絵、
先輩の好きな人を描いた絵ー…
優しく、温かく微笑む、その人はまるで太陽みたいにキラキラしていて。
真っ暗な闇に落ちていく私とは正反対の心、綺麗な心を持っている感じだったー…
この人が、先輩の好きな人。
亡くなっても、それでもなお、先輩の心に居続けている人。
いや、先輩が心の中から消せない人。
『………………嘘つき…………いるじゃん……好きな人………』
その絵の前で、
その人の前で、
その言葉を言ってしまう私は、先輩への想いを確信するー…
『………“好きになるな”なんて………無理……。
もう……好きに……好きになっちゃったよ………先輩………』