この恋、きみ色に染めたなら
*笑いたい、笑えない
自分の気持ちに気付いてしまった。
いや、自分の気持ちを認めてしまった。
でも、気付いてすぐに失恋…な状態の恋。
『………はぁ~……』
思わずため息が漏れてしまう、今日この頃ー…
『紗希、朝はどこに行ってたのよ!?
一限もサボってたし…その深くて重いため息だし、なんかあった?』
親友の凪の言葉に、私はもう一度深いため息を漏らす。
実は美術準備室での一件後、涙が止まらない私は柳先生に支えられながら保健室にいて、二限から授業に戻った。
そして、今は二限を終え、三限までの間の休み時間、休み時間になったと同時に凪は私の元にやってきたのだ。
『あんたが教室を出た後、もう一回、成田先輩、来たんだよ?』
凪の言葉に一瞬心臓が止まるかと思った。
『………誰かに用事?』
私は凪に恐る恐る問いかけるも、
『教室の中をぐるりと見回して、女子たちのピンク色の雄叫びを出させて居なくなった!』
『……あ、……そう……』
凪の言葉にもう一度、ため息が出る。
『……ってのは嘘!
放課後、絵の続きをやるから美術室に来い、だって!』
………はい!!?
凪の言葉に今度は目が定位置から飛び出しそうになった。