彼はクールな総長様【完】
私の名前を知ってるってことは挨拶しなくてもいいか
「よろしく」
その一言だけ言った
「凛、こっちにこい」
仁はソファに座って居て、その隣をポンポンと叩く
ここに座れという意味だろう
だけど私は座らない
今日入ったばっかの私が、軽々しくソファになんか座れるわけない
私はー焰ーの時だって
いつも自分を下にしていた
総長だとしても、下っ端くんたちと一緒の部屋で過ごすことも少なくなかったし
、バイクの修理だって任さず自分でやっていた
もちろんー焰ーの溜まり場は喫茶店みたいなところだったから、コーヒーだって淹れれたから淹れていた
だからこそ、私が総長やってても世界No.1にだってなれたし
みんなとも仲良くできたんだと思う
「…ん?凛?」
「えっ…あっ、何?」
名前を呼ばれたことに全く気づかなかった
「たくさん食えよ。みんなお前のために作ったんだからさ」
仁はそう言って、私にパスタが乗っているお皿を手渡してくれた
「ありがと」
「ん、」
ホント無愛想
ポーカーフェースで何考えてるのか全く分からないし