幼なじみのカレ ~カレ=野球×私~
「‥‥亮…ちゃん…??」
亮ちゃんの大事な右手‥‥‥
そして膝、頭。
無数の包帯でまかれた亮ちゃんは痛々しくて‥‥
さっき止まったばかりだった涙が再び溢れ出す。
会ったことによって不安が消えるわけでもなく、
積もるばかりであった。
亮ちゃんのお母さんは、
「治ったら、きっと何も
なかったようになるから…
大丈夫、大丈夫……」
と自分に言い聞かせるようにいっていた。
――予選まで、あと10日の出来事だった。