うさぎのアンちゃん。
出会いのはじまり
小鳥のうたで、アンちゃんは目を覚ましました。
「お星様...またあとでね」
目をこすりながらつぶやきます。
アンちゃんの1日は、この言葉で始まるのです。
空気が澄んで、朝日がキラキラとかがやく、ステキな1日のはじまり。
「お日様、おはよう! 今日は川の先まで行ってみようかなぁ」
朝ごはんに木の実と野いちごを食べ、葉っぱとツタで作った〝お弁当箱″をさげて、お星様と作った歌をうたいながら元気に歩きだします。
「あっ! あの切りカブで、すこし休もうかしら」
お日様がお空の真ん中にくるころ、アンちゃんはひと休みすることにしました。
「のどがかわいちゃった。〝しずくさん″どこかしら」
アンちゃんは水筒をもっていません。のどがかわくといつも、水がすきとおってサラサラな川のお水を飲むか、寒い朝のうちに霧があつまり葉っぱのうえにできた水滴をゆっくり味わうのでした。
「あらまぁ!! 大変だわ! 」
〝しずく″が付いてまるでダイアモンドのように輝くクモの巣に、チョウチョが引っかかってしまっていたのでした。
チョウチョはなんとか逃げようと、その小さな羽をパタパタとふるわせていました。
「チョウチョさん、今たすけるからね! すこしだけ動かないでね? 」
アンちゃんはチョウチョが傷つかないように、そして、クモの巣を壊さないようにそっと、絡みつく糸から助けてあげました。
チョウチョは大喜びで、
『うさぎさんありがとう!! お礼に何かあげたいわ。けれど、何がいいかしら...』
アンちゃんはすこし考えてから
「それじゃあ、すてきなお花畑へつれてってちょうだい? 」
チョウチョはアンちゃんをお花畑へとつれて行きました。
チョウチョが大切にしている、特別な場所へと。
「まぁ! なんてステキなの! 黄色に桃色に、本当にすてき! チョウチョさんありがとう。かんむりを作りたいんだけど、すこしお花をもらってもいいかしら? 」
チョウチョのご飯は花の蜜。アンちゃんはその事を知っていました。
するとチョウチョは、
『うさぎさんは命を助けてくれたんだもの。全部は困るけれど、どうぞお摘みになって? きっとすてきなかんむりになるわ? 』
「ありがとうチョウチョさん、本当にありがとう」
アンちゃんは1本1本ていねいに編んでいきました。時が経つのを忘れるほど。気づいたら〝お弁当″を食べるのも忘れていて、日が沈みかけていました。
「大変だわ! そろそろ帰らなくちゃ」
もっと暗くなったら、お星様が現れてしまいます。それに間に合うようにアンちゃんは急いで帰りました。
「きのうよりも上手にできたわ! 早くお星様に見せたいなぁ」
アンちゃんはわくわくしていました。
【こんばんはアンちゃん、今日はすこしだけ遅かったわね? 一体どんな楽しいことをしていたのかしら? 】
アンちゃんは嬉しそうに、
「うふふ! お星様は本当に何でもわかっちゃうのね! ほら見て! きのうより上手にできたの! 」
【本当にすてきね、きのうよりも上手だわ! そのお花も、いろんな色があってすごくキレイね? 】
「うふふ、チョウチョさんにつれてってもらったのよ! 」
お星様はアンちゃんの事は何でも知っています。
でもその事は言いません。そして優しく問いかけました。
【アンちゃんもしかして、そのチョウチョさんを助けたりしたのかしら? 】
アンちゃんは、えっ! と驚き
「どうしてわかったの?お星様! 」
と、聞きました。
【アンちゃんそのお花はね、マーガレットっていうのよ? 】
「まぁがれっと...? 」
【そうよ、マーガレット。アンちゃんとチョウチョさんは、お友達ですよっていうお花なのよ。だからアンちゃんが、チョウチョさんに何かいいことをしたのかしらって思ったのよ】
アンちゃんは、まぁるい目をもっと丸くして、
「やっぱりお星様はすごいわ! そうよ、今日ね、クモの巣に引っかかっていたチョウチョさんを助けたのよ! それでね、お花畑につれてってもらったの」
お星様はにっこりしました。
そして、
【そうなの、お友達ができてよかったわね、アンちゃん】
と、優しくアンちゃんを照らします。
するとアンちゃんはすこしだけ困った顔をしてたずねました。
「お星様、お友達ってなぁに? 」
お星様は、アンちゃんがそう聞いてくるのをわかっていたかのように、こう答えました。
【お友達っていうのはね、一緒にあそんだり、おしゃべりしたり、楽しい時や悲しい時もそばにいてくれるのよ。今日のアンちゃんみたいに助け合ったりもするのよ】
アンちゃんは笑顔になって、
「とってもステキ! 明日もチョウチョさんに会いたいなぁ」
アンちゃんはそう言うと、
「おやすみなさい、お星様」
と言いました。
そしてアンちゃんは、自分で見つけた〝おふとん″の葉っぱをかけてお星様が照らす光の下で、すやすやと眠り始めるのでした。
お星様も、とても嬉しそうです。
この日の夜はいちだんと、眠るのに心地のいい風がふいていました。
「お星様...またあとでね」
目をこすりながらつぶやきます。
アンちゃんの1日は、この言葉で始まるのです。
空気が澄んで、朝日がキラキラとかがやく、ステキな1日のはじまり。
「お日様、おはよう! 今日は川の先まで行ってみようかなぁ」
朝ごはんに木の実と野いちごを食べ、葉っぱとツタで作った〝お弁当箱″をさげて、お星様と作った歌をうたいながら元気に歩きだします。
「あっ! あの切りカブで、すこし休もうかしら」
お日様がお空の真ん中にくるころ、アンちゃんはひと休みすることにしました。
「のどがかわいちゃった。〝しずくさん″どこかしら」
アンちゃんは水筒をもっていません。のどがかわくといつも、水がすきとおってサラサラな川のお水を飲むか、寒い朝のうちに霧があつまり葉っぱのうえにできた水滴をゆっくり味わうのでした。
「あらまぁ!! 大変だわ! 」
〝しずく″が付いてまるでダイアモンドのように輝くクモの巣に、チョウチョが引っかかってしまっていたのでした。
チョウチョはなんとか逃げようと、その小さな羽をパタパタとふるわせていました。
「チョウチョさん、今たすけるからね! すこしだけ動かないでね? 」
アンちゃんはチョウチョが傷つかないように、そして、クモの巣を壊さないようにそっと、絡みつく糸から助けてあげました。
チョウチョは大喜びで、
『うさぎさんありがとう!! お礼に何かあげたいわ。けれど、何がいいかしら...』
アンちゃんはすこし考えてから
「それじゃあ、すてきなお花畑へつれてってちょうだい? 」
チョウチョはアンちゃんをお花畑へとつれて行きました。
チョウチョが大切にしている、特別な場所へと。
「まぁ! なんてステキなの! 黄色に桃色に、本当にすてき! チョウチョさんありがとう。かんむりを作りたいんだけど、すこしお花をもらってもいいかしら? 」
チョウチョのご飯は花の蜜。アンちゃんはその事を知っていました。
するとチョウチョは、
『うさぎさんは命を助けてくれたんだもの。全部は困るけれど、どうぞお摘みになって? きっとすてきなかんむりになるわ? 』
「ありがとうチョウチョさん、本当にありがとう」
アンちゃんは1本1本ていねいに編んでいきました。時が経つのを忘れるほど。気づいたら〝お弁当″を食べるのも忘れていて、日が沈みかけていました。
「大変だわ! そろそろ帰らなくちゃ」
もっと暗くなったら、お星様が現れてしまいます。それに間に合うようにアンちゃんは急いで帰りました。
「きのうよりも上手にできたわ! 早くお星様に見せたいなぁ」
アンちゃんはわくわくしていました。
【こんばんはアンちゃん、今日はすこしだけ遅かったわね? 一体どんな楽しいことをしていたのかしら? 】
アンちゃんは嬉しそうに、
「うふふ! お星様は本当に何でもわかっちゃうのね! ほら見て! きのうより上手にできたの! 」
【本当にすてきね、きのうよりも上手だわ! そのお花も、いろんな色があってすごくキレイね? 】
「うふふ、チョウチョさんにつれてってもらったのよ! 」
お星様はアンちゃんの事は何でも知っています。
でもその事は言いません。そして優しく問いかけました。
【アンちゃんもしかして、そのチョウチョさんを助けたりしたのかしら? 】
アンちゃんは、えっ! と驚き
「どうしてわかったの?お星様! 」
と、聞きました。
【アンちゃんそのお花はね、マーガレットっていうのよ? 】
「まぁがれっと...? 」
【そうよ、マーガレット。アンちゃんとチョウチョさんは、お友達ですよっていうお花なのよ。だからアンちゃんが、チョウチョさんに何かいいことをしたのかしらって思ったのよ】
アンちゃんは、まぁるい目をもっと丸くして、
「やっぱりお星様はすごいわ! そうよ、今日ね、クモの巣に引っかかっていたチョウチョさんを助けたのよ! それでね、お花畑につれてってもらったの」
お星様はにっこりしました。
そして、
【そうなの、お友達ができてよかったわね、アンちゃん】
と、優しくアンちゃんを照らします。
するとアンちゃんはすこしだけ困った顔をしてたずねました。
「お星様、お友達ってなぁに? 」
お星様は、アンちゃんがそう聞いてくるのをわかっていたかのように、こう答えました。
【お友達っていうのはね、一緒にあそんだり、おしゃべりしたり、楽しい時や悲しい時もそばにいてくれるのよ。今日のアンちゃんみたいに助け合ったりもするのよ】
アンちゃんは笑顔になって、
「とってもステキ! 明日もチョウチョさんに会いたいなぁ」
アンちゃんはそう言うと、
「おやすみなさい、お星様」
と言いました。
そしてアンちゃんは、自分で見つけた〝おふとん″の葉っぱをかけてお星様が照らす光の下で、すやすやと眠り始めるのでした。
お星様も、とても嬉しそうです。
この日の夜はいちだんと、眠るのに心地のいい風がふいていました。