うさぎのアンちゃん。
3兄弟
それからアンちゃんはチョウチョと遊ぶようになりました。
一緒にお散歩をしたり、おしゃべりをしたり、アンちゃんは初めてできた″お友達″と毎日のように一緒にいました。
でも変わらずお星様が現れるころにはちゃんと帰って、お星様にチョウチョとの話をしているときに眠ってしまうのでした。
「お星様...またあとでね」
このころになると咲いている花も変わり
朝はちょっと寒くて、お昼はお日様がギラギラと照りつける夏の季節になっていました。
「今日はチョウチョさんと何をして遊ぼうかしら? 」
チョウチョが川辺に行ってみましょうと言ったので、アンちゃんたちは川の方に向かいました。
「わぁー! お水がキラキラしていて、とってもキレイね! チョウチョさん! 」
『そうね! 私は羽がぬれてしまったらいらないから、泳ぐ事はできないけど泳げたら気持ちが良さそうね、アンちゃん! 』
アンちゃんは小さな足を、ちょんっと水の中に入れました。
アンちゃんは泳ぐのが苦手でした。苦手というよりも、ちょっとだけ、こわいなぁという気持ちがあったのです。
「どこか、川を渡れるところはないかしら? 」
そう言って、しばらく川のほとりを歩いていると、カモノハシの3兄弟が泣いていました。
「カモノハシさん、どうしたの? 」
アンちゃんは心配そうに言いました。
長男:僕たちみんなで森へ冒険に行ったんだ。お母さんもいたのに、気がついたらいなくなってて...
三男:ママー...! お兄ちゃん何とかしてよ!! ママー...!!!
次男:泣くなよ。兄ちゃんだって困ってるだろ? なぁ、兄ちゃん、この辺を探そうぜ?
アンちゃんは不思議な気持ちになりました。
「お母さんって? 」
アンちゃんは3兄弟にききました。
知らなかったのです。
カモノハシたちは、つぎつぎに言います。
[お母さんだよ! 僕たちや君を産んだママ! 君にもお母さんはいるだろう? ]
アンちゃんはうつむいて、それ以上カモノハシたちに何も聞けませんでした。
アンちゃんとチョウチョとカモノハシでしばらく辺りを探しましたが、この日は〝お母さん″を見つけることはできませんでした。
カモノハシたちと寝られる穴を掘りおわったところで、また明日もくるからねとアンちゃんとチョウチョは帰りました。
その日の夜、アンちゃんは元気がありませんでした。
【アンちゃん、こんばんは。どうしたの? 何かあったのかしら? 】
お星様は優しくききました。
アンちゃんは何も言いませんでしたが、
しばらくしてからすこしだけ顔をあげてお星様に聞きました。
「お星様、どうして私にはお母さんがいないの? 」
お星様はこの時がくるのをわかっていたかのように、優しく、優しく言いました。
【今、アンちゃんのそばにお母さんはいないけれど、アンちゃんにはお母さんもお父さんもちゃんといるのよ? 】
アンちゃんは、まぁるい目をもっと丸くしました。
「本当?! お星様! 」
【えぇ、本当よ。ちゃんといるわ】
「じゃあ、どこにいるの? 」
お星様はすこし考えからこう言いました。
【ごめんなさい、それは私にもわからないわ。だけど、お母さんもお父さんも、アンちゃんがそばにいなくてさみしくて、悲しんでいるはずよ? 家族ですもの】
「かぞく? 」
【そうよ、家族。お家に帰ったらアンちゃんを待っててくれて、一緒にご飯を食べたり、お風呂に入ったり、アンちゃんが眠るまで一緒にいてくれて、朝起きてもアンちゃんのそばにいてくれて、お友達に言えないことも家族になら話せるのよ? 】
アンちゃんは、うっとりしながら
「家族って、ステキね!! 」
と言いました。
【そうよ、家族ってステキなのよ】
お星様は言いました。
「家族がいたら、いいなぁ」
【そうね、アンちゃん】
お星様はその言葉しか言えませんでした。
そしてしばらくするとまた、アンちゃんはお星様の光の下で眠ってしまうのでした。
【アンちゃん。かわいいアンちゃん。どうか、さみしがらないで。私はアンちゃんとおしゃべりをして、こうして光を照らすことしかできないけれど、私はアンちゃんの味方よ。〝どうかアンちゃんに、頼れる家族ができますように..″】
お星様は願うと、いつものように木々たちに〝おふとん″を頼んで、アンちゃんをやわらかな光で包むのでした。
一緒にお散歩をしたり、おしゃべりをしたり、アンちゃんは初めてできた″お友達″と毎日のように一緒にいました。
でも変わらずお星様が現れるころにはちゃんと帰って、お星様にチョウチョとの話をしているときに眠ってしまうのでした。
「お星様...またあとでね」
このころになると咲いている花も変わり
朝はちょっと寒くて、お昼はお日様がギラギラと照りつける夏の季節になっていました。
「今日はチョウチョさんと何をして遊ぼうかしら? 」
チョウチョが川辺に行ってみましょうと言ったので、アンちゃんたちは川の方に向かいました。
「わぁー! お水がキラキラしていて、とってもキレイね! チョウチョさん! 」
『そうね! 私は羽がぬれてしまったらいらないから、泳ぐ事はできないけど泳げたら気持ちが良さそうね、アンちゃん! 』
アンちゃんは小さな足を、ちょんっと水の中に入れました。
アンちゃんは泳ぐのが苦手でした。苦手というよりも、ちょっとだけ、こわいなぁという気持ちがあったのです。
「どこか、川を渡れるところはないかしら? 」
そう言って、しばらく川のほとりを歩いていると、カモノハシの3兄弟が泣いていました。
「カモノハシさん、どうしたの? 」
アンちゃんは心配そうに言いました。
長男:僕たちみんなで森へ冒険に行ったんだ。お母さんもいたのに、気がついたらいなくなってて...
三男:ママー...! お兄ちゃん何とかしてよ!! ママー...!!!
次男:泣くなよ。兄ちゃんだって困ってるだろ? なぁ、兄ちゃん、この辺を探そうぜ?
アンちゃんは不思議な気持ちになりました。
「お母さんって? 」
アンちゃんは3兄弟にききました。
知らなかったのです。
カモノハシたちは、つぎつぎに言います。
[お母さんだよ! 僕たちや君を産んだママ! 君にもお母さんはいるだろう? ]
アンちゃんはうつむいて、それ以上カモノハシたちに何も聞けませんでした。
アンちゃんとチョウチョとカモノハシでしばらく辺りを探しましたが、この日は〝お母さん″を見つけることはできませんでした。
カモノハシたちと寝られる穴を掘りおわったところで、また明日もくるからねとアンちゃんとチョウチョは帰りました。
その日の夜、アンちゃんは元気がありませんでした。
【アンちゃん、こんばんは。どうしたの? 何かあったのかしら? 】
お星様は優しくききました。
アンちゃんは何も言いませんでしたが、
しばらくしてからすこしだけ顔をあげてお星様に聞きました。
「お星様、どうして私にはお母さんがいないの? 」
お星様はこの時がくるのをわかっていたかのように、優しく、優しく言いました。
【今、アンちゃんのそばにお母さんはいないけれど、アンちゃんにはお母さんもお父さんもちゃんといるのよ? 】
アンちゃんは、まぁるい目をもっと丸くしました。
「本当?! お星様! 」
【えぇ、本当よ。ちゃんといるわ】
「じゃあ、どこにいるの? 」
お星様はすこし考えからこう言いました。
【ごめんなさい、それは私にもわからないわ。だけど、お母さんもお父さんも、アンちゃんがそばにいなくてさみしくて、悲しんでいるはずよ? 家族ですもの】
「かぞく? 」
【そうよ、家族。お家に帰ったらアンちゃんを待っててくれて、一緒にご飯を食べたり、お風呂に入ったり、アンちゃんが眠るまで一緒にいてくれて、朝起きてもアンちゃんのそばにいてくれて、お友達に言えないことも家族になら話せるのよ? 】
アンちゃんは、うっとりしながら
「家族って、ステキね!! 」
と言いました。
【そうよ、家族ってステキなのよ】
お星様は言いました。
「家族がいたら、いいなぁ」
【そうね、アンちゃん】
お星様はその言葉しか言えませんでした。
そしてしばらくするとまた、アンちゃんはお星様の光の下で眠ってしまうのでした。
【アンちゃん。かわいいアンちゃん。どうか、さみしがらないで。私はアンちゃんとおしゃべりをして、こうして光を照らすことしかできないけれど、私はアンちゃんの味方よ。〝どうかアンちゃんに、頼れる家族ができますように..″】
お星様は願うと、いつものように木々たちに〝おふとん″を頼んで、アンちゃんをやわらかな光で包むのでした。