Black Angel―愛されし現姫―
元姫墜落
「なんでっ?あたし知らないよ…」
広い倉庫に響く少女の声は虚しく消えるだけ。
俯く少女を見ながら、物ごし柔らかな青年が口を開いた。
「あぁ、いいんですよ」
「っ!理陽(リョウ)くん!」
その言葉に少女はパッ、と表情を明るくし俯いていた顔を上げた。
期待で輝いた瞳を向ける
―――が。
「初めから、信用なんてしてませんから」
「りょ、う、くん…」
期待は裏切られる。
少女にとって残酷な言葉を落とした青年は、本当に悪気が無さそうに微笑む。
だけどその微笑みは、今の少女からするとあまりにも惨いものだった。
少女は瞳の輝きを無くし、絶望した表情で”彼等”を見回した。
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