Black Angel―愛されし現姫―
「喚いている暇があるなら早く出て行ってくださらない?」
腰まであるミルクティー色のふわふわの髪を揺らしながら、少女は言う。
少女の容姿はまるで、天使。
愛らしいその顔を崩さずに、笑顔で続ける。
「私にとって、貴方は邪魔な存在なの」
「…っ」
「ほら、早く。…言うことが聞けないの?」
芯のある声で威圧気味に言い放つミルクティー色の少女。
もうひとり、俯いて涙を零す少女は動かない。
ミルクティー色の少女は、はあ、とため息をついた後言葉を紡いだ。
「棗(ナツメ)。この女を早く追い出して」
「―――美鞠(ミマリ)の仰せのままに」
愛らしい顔のトップに命令を下した少女は、ニコリとまた笑顔に戻る。