晴天のへきれき?
*****


お母さん。

私は今、頭の中が真っ白になっちゃってるよ。
でも、時計の針は19:08だよお母さん。

勝利したわよ!

お母さんも喜んでくれるよね?

って、死んでないけどさ。

「出来るとは思わなかったな」

淡々とした声に、笑みを浮かべる。

やっぱり、そう思っていたわけだな!!

「じゃ、お先に失礼します!」

明るく元気に一礼して、タイムカードを押しに行く。

今日は月初めだから、残業する人も少なくて、並ぶ事もない♪

出勤カードを取りだし、今時どこも使ってないだろう古くさいカードリーダーに入れてから、打刻が退勤ではなく、出勤になっている事に気がついた。

……出勤に二重押ししちゃった。

これやると、後で総務部にどやされるんだよなぁ。
こんなハンコじゃない、最新のカードリーダー使えばいいのに。
出勤と退勤を手動で変えなきゃいけないってのも、どうかな~。


オフィスを見回して、奥に立っていた杉下室長を見つける。
この手の事は、一番偉い上長に話しを持って行くに限る。

「杉下室長!」

私の声に、室長は顔を上げた。

「なんだね。朝倉君」

これまた渋~い声が返ってくる。

さすがダンディ室長だね。

いい声してる。
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