晴天のへきれき?
それから彼女は私を覗き込んで、小さく首を傾げた。

「どなたか、お迎えに来て下さる方はいらっしゃいますか?」

「え? ああ……」

言われて、

言葉に詰まった。


思えば、仕事ばかりで友達もいない。


母も実家だから、近くにはいない。


気がついて、苦笑した。


「仕事漬けのお局なんで」


言うと、吉岡さんは難しい顔をする。


「じゃ、信頼できそうな上司様とかはどうです?」


どうですって……

咄嗟に浮かんだのは、室井チーフの顔だった。


無表情に、淡々とした。



って、なんでだ?



「連絡先が解りません」

考えるのは放棄して呟いた。

「藁にすがって会社にかけてみるとか?」

言い方がおかしくて、また笑えた。

この子、いい性格してる。


「大丈夫ですよ」

「だめですよ。よぉ~く考えてもみて下さい。さっきの男が外に居たら大変ですぅ」

「…………」

「じゃなきゃオーナーが送るとか言い出しますよ。あの人はフェミニストですから」


それもまずいでしょう。


ふっと、バックからスマホを取り出して眺めた。

「かけてみます」

「そうして下さい」
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