晴天のへきれき?
あっさりなんてヒドイ事を言うんだ。

「これはまた、随分、専門分野な英文ですね」

「ああ。ちょっと難解だと思う」

フォローさえ終われば。

今、飛び込みの書類作成はないから…

どうにかなるかな?


後1時間で終業時間だけど。


「解らない箇所は聞いてくれれば……頼めるか? 来週、またプレゼンで」

あ。

それじゃ忙しいんだな。

「了解です。集中してください」

書類を受け取って、ついでに印刷したレジュメの書類をとってきながら、席に戻る。

ストンと座ると、こっちを見ていた高木さんを見返した。

「高木さん」

「はい」

「集中!」

高木さんは、しかめ面でモニターを見た。


うわぁ……。

嬉しくて泣いちゃうくらいの難易度だな。

まずは何の専門用語よ。

とにかく、これは後回し。

鍵つきの引き出しに仕舞って鍵をかける。

「先輩。室井チーフの書類に取り掛からなくて、平気なんですか?」

「一応、明日の11時にって事だし。ありがとう木村」

微笑むと、木村が目を丸くして頷いた。

残業は覚悟だけども……これも仕事。

やるしかないでしょ。

「そういえば、こないだのデートはうまくいきましたか?」

「ううん」

ホチキスを持ちながらアッサリ首を振る。

「えぇ~」
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