晴天のへきれき?
「木村?」

「はい」

「私はそれでいいから、ともかく仕事」

「はい」


あの件があってから、冷静に色々と考えてみた。

まず、自分をしっかり持ってる人じゃないと嫌だ。

だからと言って、自分の意見しか言って来ない人も嫌だ。

それに、私をちゃんと見てくれる人じゃないと……


確かに、私、そんなに気は強くない。

こないだので自覚した。

結構、怖かった。

ただ28にもなると、けっこう意地になる所も出てくるし、虚勢を張るのが上手くなってしまう。


素直になるには、少々とうが立つってしまっていて、

つい、逆の態度が出てくるし。




出来れば、そんな私を解ってくれる人がいい。


多少、言葉がストレートでも、一緒に並べる人がいいな。

こんな私でも、多少は素直になれそうな、そんな人。

グダグダ言い訳なんかも言わないで、潔い感じで……


はた、と手を止める。


え……


でも、それってさ……


もしかしてさ。


ふっと、後ろを振り返る。



潔くて無表情で、何考えてるかまったく解らないけど。

優しくて、私を女性扱いしてくれて、たまに鬼畜だけど。

ちゃんと、私を見てくれてる人。
< 108 / 272 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop