晴天のへきれき?
本気で動じない。


まったく、この人は、動揺することはあるのか?


「車、とって来ますから。二人とも社員入口で待っていて下さい」

「店の場所は、そんなに遠くないぞ?」

高瀬の言葉に、軽く首を振る。

「会社の駐車場が、23時で閉まりますから」


淡々と呟かれ、私と高瀬だけが1階で降りた。

扉が閉まると、溜め息をつく。

「ほんと、無表情だね~」

「そうか? あれでもたまには笑うぞ?」


えぇ!!?


「見てみたい!!」

叫んだら、高瀬はからかうように笑った。

「きっと今のお前じゃ見れないだろうよ」

「なんでさ」

「あいつはシャイだから」

「そうは見えないけど?」

「そうは見せない所が、シャイなんだよ」


全然解らん。


悩んでいるうちに室井さんの車が来て、乗り込む。

後部座席に座って、新しい企画の話をしている室井さんを眺めた。


笑顔の室井さん……


全然、想像つかない。


たま~に、解るときもあるけど、ほっとんど無表情だしさ。

口調も、低~い声で平淡だし。

声がいいのが救いか。

これで、声にも好感がなかったら、恐いだけ……


「朝倉」


はい!?
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