晴天のへきれき?
また、室井さんとバックミラー越しに目が合った。

にへらっと愛想笑いする。

「……見合い話でもきてるのか?」


言われて俯いた。


「いや、きたらやだな。と思いましてですね」

だいたいお見合いなんかで、よく知りもしない同士が結婚するから、離婚なんてするんだ。

そりゃ、恋愛結婚だからと言って、うまくいくかと言われても半々だけど。

とにかく、私はお見合いは嫌だ。


「あ、次、左入って。駐車場だから」

高瀬の声に、室井さんは返事をして、車はゆっくりと停まった。


「ここ。ですか?」

「そうだけど……来たことあるのか?」

「いえ。"ここ"はありませんが」

室井さんの言い方が、何か妙な感じがして顔を上げる。

「じゃ、先行って、席空いてるか見てくるな」

さっさと車を降りて歩き出す、高瀬の行く方向を見て呆然とした。


『個室barカマクラ3号店』


そういや、近くにあるって知ってたけど。

ここなの?


「朝倉」

「はい……」

「ここは一号店じゃない」


あ。気を使ってくれた。


「ま。大丈夫ですよ。今日はナイトが二人もいますしね」


明るく言うと、室井さんは振り返って、頷いた。










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