晴天のへきれき？

室井さんは無言でメニューを受け取り、何故か私の方に向けて開いてくれる。


「朝倉は、何が食べたいんだ」


……おや。

「俺は鳥のから揚げがいいなぁ。朝倉は食えるか？」

…おやおや。

「まず、私に聞くの？」


室井さんと高瀬は顔を見合わせ、マジマジと返して来た。


「普通、聞かないか？」

淡々とした声に、高瀬も頷く。

「鳥のから揚げ、キライって女の子も多いしな」

「俺は、油っぽいものだらけじゃなければ、別にいい」

「女の子の方が、選ぶの上手いし」


男性陣の意見に、睫毛をパチパチさせる。


室井さんは首を傾げ、メニューを見た。

「朝倉が面倒なら嫌いな物を言ってくれ。こちらで選ぶ」

「あ、じゃ、烏賊の塩焼きが食べたい……デス」

「……とすると。漬け物を頼んでもいいですか、高瀬さん」

私たちに同時に見られて、高瀬は苦笑した。

「俺は、鶏からがあれば何でもいいって。任す」

あーだこうだ言い合って、

ちょうど飲み物を運んで来た店員さんに決まった食べ物を頼んで乾杯した。


「これで来週のプレゼンが決まれば、言うことなしなんだけどな」

高瀬の言葉に、室井さんは頷いた。

「第一の外資は、面倒ですよ」