晴天のへきれき?
「面倒なんですか?」

第一企画部はどう面倒なんだろう?

前にちらっと聞いてはいるけど……

室井さんは再度頷いて、煙草を取り出す。

「似たような企画をいつも持ってくる。違ったのは一番始めと前回くらい」

そりゃ、比較もされやすいんだろうなぁ。

「第一の営業課もムカつくけど、何より、外資企画の主任野郎がムカつく」


ま、同じ部の人間が集まればこんなもの。

社会人は、愚痴がつきものだな。


苦笑していると、次々と料理が届いた。


それを食べながら、高瀬は健康な食生活について語り始める。


真面目に健康オタクなの?


驚いていたら、室井さんがふっと顔を上げた。


「どうかしたか?」

高瀬がそんな室井さんに気付いて、彼の視線の先を追う。

「……いや。気のせいかと」

天井近くの、空調の為に開けられた穴を見ている。

あ、そういやここって、隣の会話が聞こえるんだ。

つられて顔を上げ、聞こえてきた声に凍り付いた。


少し高めの、明るい声。


「あれ。この声って、第一外資企画の田崎じゃ?」



え?



第一外資企画?

ってことは、ライバルですか!?



驚いて目を丸くすると、もっと驚く言葉が飛び込んできた。
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