晴天のへきれき?
「だから、朝倉皐月に狙いを定めた訳?」

「そう。お前も喫煙室で、室井があの女に仕事頼んでるの見ただろ?」


いつの話だろう?


「見たけどさ~。なんで、お前、室井を目の敵にする訳?」

「邪魔だろ? あの野郎。年下の癖に、一番始めのプレゼンで、この俺が負かされたんだぜ? あんな屈辱はないね」

「お前も、仕方のない奴だな」

「どんな手段使っても出世したいからね。だけど、あの女は駄目だな。使えない」


あの女。


「朝倉皐月?」


どきっとした。


「そうそう。この俺様が付き合おうって言ってんのに〝お断りします〟だってよ!」

「へぇ? フラれたのか」

「俺だって、好き好んであんな年増を相手にするかって。利用するだけ」


……年増かぁ。


「だよなぁ。お前、年下好みだもんな」

「当たり前だろ! やっぱり25越えたら、女じゃねぇよ。ただのうるさい婆ぁ」


小局様だしね。


おかしいと思った。
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