晴天のへきれき?
砂利の敷き詰められた公園に入り、ジャングルジムの前に立つ。

ヒールの高いミュールのままじゃ危ないから、とりあえず脱いで足をかけた。

ストッキング越しとはいえ、素足にジャングルジムの鉄棒が冷たい。

登り切ってから体制を変え、ジャングルジムのてっぺんに座った。


手がちょっと錆び臭い。

子供の頃は、そんなことも気にせずに遊んでいたんだな。

ま、後で洗えばいいか。

ふっと笑って、公園の外を見る。

道路には、車が一台通り過ぎるところだった。

テールランプが遠くの闇に消えると、とても静か。


ここ、どこかな?


外灯も少ない。


まわりはマンションなのか、高い建物が多い。


ま、解らなければ来た道を戻ればいいんだし。


空を眺めてぼんやりする。


と言うか、


今何か考えると、嫌なことばかり考えそうだ。


かといっても、


現実逃避するには、現実を見て来てしまっている。


思えばもう少しで29年になる訳だけど。


小さく溜め息をつく。
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