晴天のへきれき?
気がつけば、ジャングルジムの前に室井さんが立っていた。

いつもと違う視線。

私が彼を見下ろして、彼が私を見上げている。


無表情に腕を組んで、仁王立ちしてるけど……



視線が……


視線が怖いです……!


「ども」


とりあえず、片手を上げてみる。

「どうもじゃない。お前は何故、こんな時間に、こんなところにいる」

「え? 歩いて」


てくてくと。


「朝倉」

「はい」

「そういう意味じゃない」


あ。さようですか。

てか、口調はいつもみたいに淡々してるけど……

怒ってる?


「えー……と。室井さんは、何をされているんですか?」

室井さんは腕を解き、背後の道路を指差した。

「あの道を直進すれば、俺の住むマンションに着く」

帰り道か。

「で、お前は今、何時だと思ってる?」

何時?

何時と言われても……

バックからスマホを出して、眺めてギョっとする。


00:24。


「終電…!!」


慌ててジャングルジムから下りようとしたら

室井さんにミュールを拉致された。
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