晴天のへきれき?
『朝倉! お前どこにいるんだ!』


イキナリ怒鳴られた。


「……よく私だってわかったね」

『俺は登録してあるからな』

あ、そうなんだ。

って、教えたことないけど、会社の名簿からかな。

『とにかく、今、どこ』

「え? 今は……室井さんと一緒」

『あ~。あいつ、やっと見つけたのか』

「え?」

『お前ん家行ったり、会社行ったり、ぐるぐる回ったり、捜したんだぞ!』

そ、そうなんだ。

「心配かけてごめん」

『当たり前だ馬鹿。お前は数少ない、女の同期なんだからな』

「……今、なにげに行き遅れって言った?」

『言うか阿保! お前は女だろうが! 俺が心配するのは当たり前だろうが!』


ひぃ。


「あ、ありがと」


怒鳴られまくりだ。


『まぁ、それもいつまで持つかだが……』

「へ?」

『何でもない。とにかく安心した』

ちょっとだけ、優しい声にしんみりする。

「……うん。ごめん」

『謝るこたぁねぇよ。明日は元気に出てこいよ!』

「わかった」

『んじゃ、ちゃんと送ってもらえよな』

「うん。バイバイ」


言って、通話を切った。

切って着信履歴を確認すると、鬼のように並んだ高瀬の着信が見える。

全然気づかなかった。


高瀬、あんたはいい奴だ。


ちょっと熱血で、ちょっとウザイけど。
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