晴天のへきれき?
それから室井さんに向き直り、

「ご心配をおかけ……」

頭を下げかけ、

ガッシリ頭を掴まれた。


あれ。何だかデジャヴ。


……あの。


「……頭をつかむのは、どうにかなりませんか?」

「下げなければ」

「下げませんから」

開放してもらう。

髪を直して唇を尖らせた。


「室井さんて、たまに意味不明ですよね」

「同じ言葉を返す」


返されても困る。


「……高瀬さん。心配、してただろう?」

「はい」


返事をしてから溜め息をついた。


「あれは友達って言えるんですかね?」

「端から見るとな。お互い恋愛感情も絡まなければ、友情だろう」


なるほど。


「だいたい子供じゃあるまいし。お友達になりましょうって宣言して、友達になる奴はいないだろう」


暗に、鈍いと言われた気がする。


「そういう所が、朝倉は幼い」

「子供ですか」

「それでいい」


何がですか。


「……落ち着いたか」


静かに言われて、目を丸くする。


驚いたり、話したりしてるうちに、さっきのもやもやが消えていた。
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