晴天のへきれき?
「室井さんて、大人」

「当たり前だ」


まぁ……こういう人だよね。


「とにかく、忘れちゃいましょ」

「嫌だ」

「室井さん、子供?」

「やられたらやり返す」

「え! 駄目ですよ。第一の女の子から情報盗むとかそういうの!」


静かに見返され、


「いひゃいれす」

頬っぺたをギュムギュムつねられて、ついでに顔を覗き込まれる。

「だから、お前は俺を、どういう男だと思っている」



今は鬼畜。



言えやしないけど。



ヒリヒリする頬っぺをさすりながら、黙って室井さんを見る。


「田崎の企画なんて、別にいらない」

煙草を吸いながら、室井さんは微かに目を細めた。

「巻き込んだついでに巻き込むから。今日は早く帰って寝るぞ。シートベルトしろ」


気がつけば、つかまれっぱなしだった手を離される。

離すの忘れてた!

けれど無表情の室井さんに、オロオロしたのはあえて言わない。

とりあえず、マンション前まで送ってもらい、無事ミュールも返してもらって手を振る。


巻き込んだついでに、巻き込むから。


意味が不明だった。














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