晴天のへきれき?
慰めなのかな?
*****




木曜日。

ダンディ室長に、朝礼前に呼び出された。

「あの。何か?」

「折り入って、頼みなんだが」

奥さんと、ケンカの仲裁とかは勘弁。

「室井の企画を、手伝ってやれないだろうか?」


瞬きする。


「事務チームがですか?」

それならいつもの事だと思うんだけど?

「いや。外資の書類は英語がほとんどだから、それは難しいだろう?」

まぁ……

オフィスの翻訳ソフトでも限界ってモノがあるから。

たまーに、変な変換に吹き出す時もあったり。

「プレゼン近いと聞きましたが」

「来週の金曜までだ。それまで、君が室井の補佐についてやってはくれまいか」

月末の書類ラッシュは再来週。

今は早良さんとこの企画も起動に乗って、営業課からの契約書制作が主になる。

「そんなに、忙しいんですか?」

「何やらゴタゴタしていて、とのことだったが。あの室井が、やっとやる気になってくれたんだよ!」

「…………」


ダンディにこんだけ感激される、室井さんのいつもの仕事ぶりって……


「……いや、誤解しないでくれたまえ。いつもより、ちょっとやる気になってだな」

少しだけ顔を赤らめたダンディは、咳ばらいした。

「頼めるかね?」

「大丈夫です」


にこやかに微笑んだ。
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