晴天のへきれき?
「そう言う訳で木村。朝礼は私が采配するけど、後のフォローはお願い。梨元さんは木村の補佐について」

ちょっと情けない木村の顔に、苦笑する。

「別にいなくなる訳でもないし。解らないことがあったら聞いて? 単に、ミスフォローに回れないわよってことだから」

そう言って、事務チームを眺める。


「ただ、実質一人欠員ってことだから皆も心して頑張って。早く取り掛からないと残業だよ!」


パン! と手を叩くと、皆席に着いた。


「先輩~。何がどうしてですか~」

「なんかゴタゴタして、遅れてるみたい」

「あのソツのない、室井チーフにしては珍しい~」


私もそう思う。


「でも、あんたもゆくゆくは事務管理なんだから良い勉強になるわよ。なんたって、私は寿退社じゃないから居るんだし」


事務管理の独り立ちは、大概先輩の退社で決まる。


「引き継ぎと同時に事務をまとめるって訳じゃないんだから、どうにかなるでしょ」

木村も少しだけ考えた。

今いる事務管理職は、私を含め実質3名。

私、入社2年目木村、新卒の梨元。

言うなれば、私がいる状況で事務のまとめ役を体験できるチャンスだ。
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