晴天のへきれき?
「何か変なものでも食べたんだろうか……」

仕事はともかく、けっこう傍若無人なところがあるあの室井さんが……

どうして急にお願いモードなの?

高瀬が、笑顔のままで固まっている。

「お前って奴は……さじ加減の難しい女だな」

さじ加減って。

「それはどういう意味さ」

早良さんが急に笑い声を上げて、頷いた。

「なんだ。そういう事か」

「何がですか」

早良さんは首を振って軽く片手を上げる。

「失言。女性には解りにくい、男性事情の話だから」


あ。そうですか。


ホントに、男性は難しい生き物ですね。

まぁ、単純な生き物なんかはいないだろうけど。

日誌を閉じて、二人を見上げる。

「じゃ、お先に」

「おー。お疲れ」

「お疲れ様」

小走りでロッカールームへ行き、手早く着替えて社員入口に急ぐ。

そして見覚えのある車に近寄って覗いた。

助手席の鍵が開いたので、いそいそと乗り込み、

「お待たせしました」

灰皿を開けて、煙草を吸ってる室井さんに声をかける。

「大丈夫」

エンジンをかけながら、室井さんは煙草を消した。
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