晴天のへきれき?
「グランベルド社」

ポカンとする。

「って……あそこ、大手外資企業じゃないですか!」

私だって名前を知ってる、有名外資企業。

「そうだな」

淡々と呟く。

「紹介を受けて行ったんですか?」

「まさか」

って事は、全くの飛び込み営業!?

「先輩にすごい人がいて、どうせ最後ならぶちまかしてから辞めろって言われてな」

「……会社、辞める気だったんですか?」

この就職難な日本で。

「朝倉。俺が営業って、合うと思うか?」

全然思わない。

「でも、よくそれであの会社を選びましたね」

「なんとなく」


なんとなくで選ぶな!

でも、なんとなくで選んだんだ……

「そうしたら、出て来た担当が向こうの人間で。流暢なイギリス英語で礼儀正しく馬鹿にして来たから、少しカチンときてな」

「喧嘩したんですか?」

「するように見えるか?」

いや、見えませんが。

いつも通りだったと言うことか?

「態度が気に入れられた様だ。内容を変えろと言ってきて、早良さんと組んで契約にこぎつけた」


ほぇ~。


「結局…俺はどうやら企画向きの人間だったんだな」

「そんな経緯があったんですか」

「恐らく早良さんの推薦もあったと思う」


それから、またちらっと私を見てくる。
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