晴天のへきれき?
「第二企画室に来て、何が驚いたかって言うとお前だな」

「は?」

私?

「……俺の席はお前の真後ろの席だから、営業課や企画課の人間をポンポン言い負かしてるの見ていて……かなり面白かった」


あ。そうですか……


「だから、小局様って言われてるんだろ」

「はい?」


イキナリなんですか?


「お局様と言うには少し妙だが、事務を引っ張り回してるのはお前だし」

「はぁ……」


「だいたい、高木さんが間違いなくお局様だろ」

室井さんはハンドルを切りながら呟いた。

まぁ、確かに、仕事面じゃ私が切り盛りしてるけど、その他は高木さんに引き連れられてるし。

「あの高木さんに追従しないのは、事務管理職のメンツだけだな」


てか、何を言いたいんだ?


「お前……小局様って、お局の候補だと思ってるだろ」

「はい」

「それはない」


断言されて、瞬きした。


「だって、事務を仕切ってるのは私ですよね?」

「大奥政治はある意味で恐怖政治だろう」

「怖がられてないと?」

首を傾げると、室井さんは車を停め、私の方に向き直る。
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