晴天のへきれき?
「……お前が恐怖政治するには、少し変わり者だ」


か、変わり者だって?


「失礼な」

「というか、コミカル過ぎる」

「コミカルって……」

「だいたいあれだけ部下に信頼されて、お局政治でもないじゃないか」


ポンポンと頭に手を置かれて、瞬きした。

「じゃ、お疲れ様。ゆっくり休んでくれ」


へ?


まわりを見渡して、マンションの目の前なのに気がついた。


「あ、はい。ありがとうございました」

シートベルトを外して助手席から降りる。

「また明日」

「はい。また明日……」

助手席のドアを閉め、一歩下がって手を振った。


マンションのエレベーターを待ちながら、釈然としない気分で首を傾げる。


ものすごく淡々と言われたけど…


あれは、なんか慰めてくれたんだろうか?


お局様って言葉を、お前は気にするなと言われたような。


そんな気がして


少し嬉しかった。












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