晴天のへきれき?
判断基準?
*****




金曜日。

ある意味では怒涛の一週間をなんとかこなし。

朝一で印刷を終わらせたレジュメを作りあげ、室井さんと高瀬を送り出した。


「って訳で、午後からは事務管理に復活するよ!」

軽く片手を上げると、木村が少し悲壮な顔をした。

「もうちょっと、後が良かったです~」

「…………」


木村と梨元のデスクには書類の山。

いいとこ見せたかった訳かね?

「何事も、最初からうまくいかないって」

彼女たちのデスクから、書類を引き受けてクスクス笑う。

それから事務のメンバーを見回し、手が空いてそうな子に振り分ける。

「先輩。すみません」

「何故、謝るの」

「私、しっかりしてないから……」

おや珍しい。

木村が落ち込んでる。

「あんたね。最初から私と同じことされたら、私の立場ないでしょうが」

「でも、先輩も疲れてるのに……」

うーん。

木村らしいと言えば、木村らしいコメントだなぁ。

この子なりに、事務の仕事を少ない状態で引き渡したかったんだな。

「気持ちだけもらっとく。月末近いのに、これくらいで踏み止まったのは嬉しいよ」

言うと、木村はポカンとした。
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