晴天のへきれき?
「だから木村は手を動かす! あんたは話してると手が止まる」

事務チームから、軽い笑顔が返って来た。

「そういう訳で、皆。飛ばすよ」

この言葉には失笑が返って来る。

うんうん。

頑張ろうかみんな~。


「あの、朝倉さん。経理部から内線が……」

訝しげな梨元さんの声に、訂正ペンを持って電話にでる。

「お電話かわりました。朝倉です」

電話の先では、カン高い女性の声でまくし立て。

経理課のお小言はいつもなので、軽く聞き流す。


「不備ですか? それとも訂正ですか?」

返って来た返事に、ちらっと高木さんを見た。

経理課への書類は、ベテランさんでもある高木さんに任せてるけど、最終確認は管理がする。

まぁた、木村か梨元さん通さないで、書類を出した感じだな。

「はい。メールで? はい。10分くらいでしたら」

ガチャンという、切断音に顔をしかめて顔を上げる。


「高木さん。さっき経理課に持って行った書類とデータをちょうだい」

高木さんが少し青ざめ、木村と梨元さんがお互いに顔を見合わせた。


やっぱりか。
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