晴天のへきれき?
「先輩。変わりましたね」

「え?」

新たに書類をパラパラめくりながら、首を傾げる。

「何が?」

「今までの先輩なら、怒ってましたよ」


かも知れないね。


「木村。ちょっと訂正しておく」

「はい」

「私たち管理がするのは、注意であって、叱責じゃないと思う」

「あ。はい」

「その事に、私も気がついたってことかなぁ」


室井さんと一緒に組んで、思ったことその4。

室井さんはビシバシと要求が厳しかったけど、失敗しても叱責は飛んでこなかった。

厳しい注意はきたけど、逆に言うと、それだけ高い水準を求められて少し嬉しかった。

見放されたら終わりだ。

と、気も抜けなかったのも確か。



だから、これくらいの単純なミスは1度や2度くらいは水に流す。

だいたい、ああ見えて高木さん……レジュメ作りはともかく、他の失敗は繰り返さない人だ。

ケアレスミスが無くなれば文句なしなんだけど、そればっかりは人間誰だってあるし。

「先輩。私、常々思っていたんですが……」

「ん?」

モニターを見ながら打ち込みをして、首を傾げる。
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