晴天のへきれき?
村田君?

村田君は、同期だけど2つ年上の、笑顔が可愛い営業課の男子。

よく、高瀬と私と村田君で遊んだものだ。

去年8月に配属が変わって、今は営業部だけど。


「ことある毎に、お花をもらってたじゃないですか」

「いや、だってあれは、オフィスに飾ってって言ってたし」

「お誕生日の薔薇は、帰り際に渡されてませんでしたか?」

「…………」


渡されました。


「深く考えなかった」

木村はクスクス笑ってから頷いた。

「先輩って、けっこう世話焼きさんだから、実は男性社員に人気があるんですよ?」

「それは知らなかった」

「不思議で仕方がなかったんですけど、納得できました」

「何が」

「今までの人達が、範疇外だったことが」

範疇外。

確かに、そんな対象としては見たことがないな。

「でも、おかしいですね。今そんなことを聞いてくるなんて……」

「いや……私もいい年だし、いきなりのお見合いは嫌だし」

木村は笑顔で頷いた。

「寂しいって、気付いちゃった訳なんですね」

「そんな笑顔で言う事?」

「だって、先輩は仕事があれば楽しそうでしたもん」
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