晴天のへきれき?
「お疲れ~!」

「キャ────!!!」

イキナリ、オフィスのドアが開いたのと同時に木村の叫び。

目を白黒してる高瀬と、その後ろに耳を塞いで無表情の室井さんの姿が見えた。


私も耳が……!


「木村ちゃん。俺は化け物じゃないよ?」

「ご、ごめんなさい。急にいらっしゃったから」

焦る木村に高瀬はフッと笑って、それからこっちを見た。

「ちょうどいいや。4人で祝い飯に行こうぜ」


その言葉に、オフィスに入ってくる二人をマジマジと見る。



室井さんはいつもの無表情だけど、高瀬は明らかにご機嫌だ。



「プレゼン。うまくいきました?」



頷く室井さんに、木村と顔を見合わせ、

それからワッと抱きしめあう。


「やったわね!」

「これで、事務の苦労も報われます~」


キャイキャイはしゃぐ私たちに、高瀬は呆れ顔。

「普通、抱き着くんなら俺じゃねぇか?」

「え~……。やだよ」

言うと、高瀬は噛み付くような顔をした。

「誰もお前にゃ頼んでないっ! お前はあっちだ!」

と、室井さんを指差す。


あ、そう。

木村に抱き着いてもらいたかったワケね。


解りやすい奴だな。
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