晴天のへきれき?
って、うちの会社はオープン過ぎて、企画室でそういう問題が起こった事はないけど。

室井さんみたいな綺麗な人だと、逆セクハラもあるのかも……

「……そういう経験が?」

「朝倉」

「はい?」

「男女間で、その話題……どうかと思う」


まぁ、確かに。


これじゃ、本当に私がセクハラしてるみたいだ。

「じゃ、次の議題。どんなお店か聞きましたか?」

話題が変わって、室井さんがやっとこっちを見た。

「創作料理の店らしい」

「さすが営業だけあって、高瀬は色んな店を知ってますよね」

「俺はあまり知らない」

「室井さんは接待経験が、あまりないんじゃ?」

「ないな」


……営業で、大変だったんだろうなぁ。

「いい先輩に会えて、良かったですね」

ポツリと呟くと、室井さんが軽く頭を小突いてきた。

「……朝倉が気にする事はない。この性格だから、営業でも大丈夫だろうと思われてたらしい」

「シャイなのにですか」


一瞬、室井さんが目を細めた。


「……高瀬さんか」

「その通りですね」

室井さんは腕を組んで俯く。

「あの人は、たまに余計な事を言うな」

「いつも言ってますって」

「今後、気をつけよう」
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