晴天のへきれき?
「そろそろ夏だしなぁ。新しいの欲しいんだけど、合うのがなかなか」

「先輩は化粧品て、あまり変えない派ですか?」

「変えないって言うか、変えにくいって言うか。下手なの使うと、そこらじゅう痒くなって」

「ああ。敏感肌なんですか~?」

「ん~。よく解んないけど痒くなるね」

「刺激の少ないのを選べばいいんですよ」

「お店の人に相談する訳だよね。なんか苦手で」

「じゃー木村のおすすめはですね~……」

「もしもし、そこのお二人さん。男はその話題に入りにくいんだが」


高瀬の苦笑に、木村と笑い合う。


「いや。乗れるかもよ? 高瀬も一度、化粧をしてみるといい」

「馬鹿言うなよ! なんで俺が化粧せにゃならん?」

「社員旅行の余興とか?」

「そんな余興は、部下に任す。上司の特権だな」

「なるほど~。じゃ、私も今年はそうしよう」

「先輩は無理です。お祭り好きですから」

「よし。木村が犠牲決定」

「えぇ~。そんなぁ」

それから無表情の室井さんを見て、首を傾げる。

「室井さん、お化粧似合いそう」

「あ、確かに、室井チーフは似合いそうです」

無言でじりっと逃げる、室井さんに笑った。
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