晴天のへきれき?
見ると、室井さんが頬杖をついて見上げて来ていて……

や。

あの……ですね?


「そんなに、嫌か?」


嫌も何も……


だって。

心臓爆発しそうになるし、

室井さん、無表情だし。


息が、

息が出来なくなるし!


「当たり前です! なんで室井さんと」


ぐいっと手を引かれ、


「ひゃ……っ!?」


イキナリ手の甲にキスをされた。


「命令遂行ですね」


室井さんは淡々と呟いて、手を離してくれた。


「ぁぁあ~! ちゃんと唇にとか言えばよかった!」


高瀬が嘆いている。


「キスはキスですから」


室井さんは淡々とお酒を飲み、涼しい顔。


ど、動じない!


ちっとは動じろ!



私のドキドキ返せ!



「あ~あ。じゃ、2番、俺と握手」


高瀬は無難な命令を下し、木村と握手。

木村はニコニコしながら、皆のクジを回収した。


「っていうゲームです」

「もう二度としない」

こんな恥ずかしいゲーム。

「先輩は、きっとその方がいいかと思います」


切実に思います。


たまに木村の笑顔が、小悪魔チックに見えるし。
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