晴天のへきれき?
どうしてなのか?
*****




明けて土曜日。

カラオケで、高瀬と木村が歌いまくり3時間。

私と室井さんはちょこんと座って、それをぼんやり聴いていた。

だって、洋曲歌うと高瀬が呆れるし。

そうすると、室井さんが仲間ハズレになっちゃうし。


終わった後、ラーメンを食べると豪語する高瀬に木村がついて行き。

私と室井さんは、店の前のベンチで休憩していた。


って、眠い。


かなりの勢いで眠い。



「朝倉」

よく通る低い声が、よけいに心地いい。

「朝倉?」

「は、はい!」

パッと目が覚めて、室井さんを見る。

相変わらずの無表情。

「眠いなら、肩貸そうか」

肩って、


室井さんの肩を!?


めめ滅相もない!


「大丈夫ですから!」

バタバタ手を振って、咳ばらいする。

慌てて顔を背け、脇にスタンド灰皿があるのに気がついた。


それをガコガコ動かして、室井さんを見る。


「煙草吸いましょう」


吸えば、少しは目が覚めるかも知れない。


室井さんは無言で首を傾げ、胸ポケットから煙草を出した。


「……朝倉」

「はい?」

室井さんは煙草に火をつけて、煙を吐く。

「……俺は、お前に嫌われる様なことを何かしたか?」
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