晴天のへきれき?
あまりにも静かな声に、


一瞬だけ、息を吸うのを忘れた。


それから、急にドキドキしてきた。


唐突すぎる。いきなりの質問に頭の中はクエスチョンがたくさん。


「なんですか、急に…」

「いや。何かしたかな、と思って」

室井さんを見ると、彼は黙って、煙草の火を眺めている。


なんだろう?


なんか妙だ。


「どうかしたんですか?」

「いや……」


呟いて、灰を落とす。


妙に周りが静かで、


妙に心臓がうるさい。


「……別に、何もないですよ?」


呟くと、深い溜め息をつかれた。


なんか、嫌だ。


妙に焦る。


何かしっくりこない。


漠然と不安になる。


何がどうしたか、ではなくて、何かがおかしい。


お互い無言になって、前を向いた。



目の前の道路には路駐の車すら停まっていない。

闇に光るネオンも、いつもとは違って数も少なくなっている。


煙草の煙が一瞬まとわりついてきて、ゆっくりと風に流れた。

室井さんは煙草を灰皿で消しながら、小さく呟く。


「解った」


わかった……

って、何が?

何が、わかったの?


「あの……?」

「先輩!」

楽しそうな、明るい声が聞こえた。
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