晴天のへきれき?
「お待たせしました!」

木村が、笑顔で近づいて来る。

それを眺めていたら、室井さんが無言で立ち上がった。

「朝倉~。ボーリング行くぞ」

高瀬の声に、私も立ち上がる。

それから、歩き出した室井さんの背中を視線が追う。

室井さんは高瀬の隣に行き、何か話しながら歩いていた。


「先輩。行きましょう?」

木村に促されて歩き出しながら、首を傾げる。


何が……あんなにおかしかったんだろう。

さっきの妙な感じは……一体何だったんだろう?


考えても解らない。


「……先輩。どうかしましたか?」

木村に覗き込まれて、瞬きした。

人がいるのに、一人の世界に入ってた。

「ねぇ、木村?」

「なんですか?」

「考えても解らないことに当たったら、どうすればいいと思う?」

木村は目を丸くして、それから難しい顔をした。

「そうですね~。感覚で捕らえればいいんじゃないでしょうか?」

「感覚?」

「……頭で考えようとしないで、心で感じ取るんです」


頭で考えないで、心で感じとるねぇ。
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