晴天のへきれき?
「おし! ストライク!」

高瀬のガッツポーズに、木村が拍手。

「おめでとうございます」

「見たか室井! お前のスコアを抜いてやったぞ!」

「俺は別にそれでも……」

「お前って奴は……少しは競争意識を持てよ?」

賑やかだな。


とにかく、今は楽しくボーリングだぞ☆


って気分でもないので、ぼんやりと後ろの椅子に座って眺めている。


そして、いろいろと考えてみてる。


木村は、可愛いけど大人だ。

思った以上にしっかりしてる。


比べると……

私の方が確かに子供だ。

28にもなって、好きになるのはどんな感じか、なんて聞かないし。


仕事は、ちゃんとやれてる自信がある。

ただ、人間関係は仕事と同じじゃないし。

取り組んで、打ち込んで、作成して、印刷してって訳にもいかないし。

だいたい、マニュアルがある訳でもない。



こうしたら成功する、とかいう、実例がある訳でもない。



皆、考え方も違うし。

解らないから難しい。


ぼんやりと頬杖をついて、まわりを見渡した。


真夜中のボーリング場は、若者が多い。

たぶん、オール組。
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