晴天のへきれき?
何故かどことなく不機嫌そうな高瀬にまた首を傾げる。

「どうかした?」

「お前に言っておきたいことがあってな」

「うん?」

高瀬は腕を組み、横目で睨んでくる。

「お前。今回のプレゼン、お前の復讐戦だって気付いてないだろう」



へ?

「……どういうこと?」

「室井の仕事のやり方は、淡々としていても計画性はある。今回のプレゼンの企画については、すでに出来上がってた」

「え……出来てた?」

「お前と3人で飲みに行った次の日。営業課とミーティングして、話を詰めるだけって所までな」


瞬きして、高瀬の方に向き直る。


「あの夜、田崎の野郎の話を聞いて……イキナリ一から企画をやり直すって言われた時、正気かと思ったよ」


まぁ、確かに、新しい企画が出来てたのであれば。

あんな短時間でやり直すなんて、あまり考えられないし。


「第一の奴らが反論出来ないくらいに、完璧なプレゼンしてやるって豪語した時には……俺も敵にまわしたくないと思ったなぁ」

私も、営業課の一部の石頭たちをやり込めた時はそう思った。

「どうして、そんな無茶をしたと思う?」


優しく言われて、俯く。


それが、私の復讐戦だと言うのなら……


「お前が、田崎に傷つけられたからだよ。あいつの事だから、口が裂けても言わないと思うが……」


そう。


「優しい……人だね」



ゴツンと、俯いた頭にゲンコツを頂いた。

「……いった!」

頭を抱えて顔を上げた私に、高瀬はむっつり怒り顔。

えーと。

怒る意味が解りません。
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