晴天のへきれき?

気がつくと目の前に無表情のチーフの顔。

それから全く見覚えがない、白い天井が見えた。


「……ここ。どこです?」

「病院」


簡潔な答えをありがとう。


って。

勢いよく起き上がって、辺りを見回す。

「……何が起こったって言うんですか!?」

室井チーフは視線を外し、近くの椅子に座った。

「僕がドアを開けた。君が入口のキャビネットにぶつかった。上の物が落ちてきて、僕は頭を打った」

淡々とした説明に、瞬きする。

「頭……無事ですか?」

「ちょっと気を失ったくらいで、たいした事はない。ただ、慌てて高瀬チーフが救急車を呼んで……」


今に至る。


「ご迷惑…」

「気分はどうだ?」

言われて、また瞬きする。

「なんだか、大分スッキリした感じです」

「一応、点滴を打ってもらった」

あ、そうなんだ。

「あの…」

「問題なければ僕は社に戻るが、君は一人で帰れるか?」

腕時計をちらっと見るチーフに頷く。

私は慌ててベッドから降りて、足元にあったパンプスを見つけた。

「あの……何から何まで……」

「支払いは済ませてある」

立ち上がるチーフに、パンプスを履きながら頭を下げる。

「あの……!」
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