晴天のへきれき?
年上の優しい奴?
*****




月曜日。

「梨元さん、木村のアシストして。高木さん、焦らずに確実にお願いします」

月末は企画室総出で忙しい。

まさに忙殺される、って感じで、かなり大変。

「朝倉さん。経理の書類作成終わりましたので見てもらえますか?」

高木さんの声に、顔を上げる。

「はいよ」

受け取って、訂正ペンのキャップをくわえて引き抜く。

電卓叩いて数字を見てから頷くと、書類を高木さんに返す。

「高木さんは、やっぱ落ち着いてやれば出来るから頑張って」

「は、はい」

「いつも焦りすぎ。そこ気をつけてね」

キャップを閉めペンを耳に挟み、新しい書類を眺めて訝しむ。

「朝倉。さっきの書類、訂正箇所が……」

高瀬の声に、持っていた書類を差し戻す。

「頑張ってよ、営業課」

モニターを見て、入力をチェックして、印刷をクリック。

「先輩。いつにも増してパワフルですね」

「パワフルが売りだしね」

「いつ売り出したんです」

「さて? ところで、手は動いてる?」

「そんなスキルありませんって」

「そんな事を言わないで、私が急にいなくなったらどうするの?」

木村はぎょっとした。

「何か予定が?」

「あればもっと言ってるでしょうが」
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