晴天のへきれき?
「木村。仕事に生きるのもよいかも知れない」

目を輝かせてみる。

「え~……言ってることがさっきと違いますから。ちゃんと嫁いでくださいよ~」

「じゃ、とりあえず飛ばすか」

キーボードを睨みつける。

「今日の先輩が飛ばしたら、私たち対応しきれませんよぅ」

「んじゃ、のほほんとするか」

ぽけ~としてみる。

「それはもっと困ります」

打ち込みながら、小首を傾げた。

「難しい子だね。どっちがいいのさ」

「間を取って下さい!」

木村の嘆きに、事務チームは吹き出した。

「朝倉……」

高瀬の声に顔を上げた。

「書類?」

手に持った書類を受け取ると、高瀬にマジマジと見据えられる。

「なに?」

「……新人の頃のお前を見るようだが。何かあったのか?」


……こいつ。

なにげに、鋭いじゃんか。

「忙しくてね!」

「また親父さんが金貸してくれとか?」

「親父は3年も前に死んでるけど?」

「じゃ、熱でもあるのか」

「こんな時期に熱出してられるか。いいから仕事に戻りなよ」

その時、午前中の終業アラームが鳴った。

「高瀬。この書類は急ぎかな?」

「いや。明日までで……」

「そっ! じゃー、昼入るから」

書類をしまって立ち上がった。
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