晴天のへきれき?
「村田君て、昔からマイセンだった?」

驚いたような顔で、村田君は私を見た。

「そうだけど?」

へぇ……

そうだったんだ。

「なんだ。さっちゃんの彼氏はマイセンなのか?」


聞かれて、一瞬固まる。

それを見て、村田君は天井に煙を吐き出した。

「さっちゃん。今日、飲みに行こうよ」

イキナリ言われて、瞬きする。

「え? この月末に?」

「遅くならなければ平気でしょう?」

村田君はそう言って、ニッコリと微笑む。

「なんと言っても、僕はさっちゃんより年寄りだからね。そんなに無茶も出来ないけど。相変わらず一人で飲んでるんでしょ?」

いや。

まぁ、確かに飲んでるけども。

「制限はビール2杯って感じで、懐かしいでしょ?」


懐かしいフレーズが出て来た。


"制限はビール2杯で"

新入社員の当時、環境に慣れずに深酒をする私に、高瀬と村田君で決めた飲酒制限。

それは二人の、"愚痴につき合うから、言いなさい"というサインでもある。

ちらっと視線を落とすと、軽く頭をポンポンと叩かれた。


もの凄く、見透かされている?
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