晴天のへきれき?
「そうか~。村さん出てきちゃったか~」

「……は?」

何故、高瀬がそんなに情けない顔をするのか……
あまり理解出来ないけど。

「村田君が何か?」

高瀬はキッと私を見て、腕を組んだ。

「いいか、朝倉。何があったか知らんが、村さんはああ見えてやり手だから……」

ゴツン!と、小気味よい音がして、高瀬が頭を抱える。


「タカ。今、余計なこと言おうとしただろう?」

やんわりとした口調で、村田君がニッコリと高瀬の背後に立っていた。

「なんで俺の同期は、揃いも揃って背後から襲ってくるんだ?」

ぼやく高瀬に、村田君が首を傾げる。

「それは、正面からだとタカが避けるからだろう?」

「あったり前なことを言うなよ!」

そのやり取りが、懐かしくも可笑しくて、思わず吹き出す。


「さっちゃんの笑顔が見れた所で、場所変えようか」

「あ、うん」

村田君に言われて立ち上がった。

「村さん!」

高瀬の声に、村田君がニッコリする。

「さっちゃんの兄貴は僕だよ。弟君はおとなしく仕事してなさい。どうせチーフ組は残業でしょう」

軽くあしらって、村田君は歩きだした。

思わず、ポカンとした高瀬を見上げる。
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